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      春の花物語

                                                                  春の花たち

」、この言葉はガーデニングを趣味にしている
人たちには、よりいっそう特別な意味を持つ言葉ですね。
ガーデニングファンは春の花の咲く季節を、
どれほど首を長くして待ちわびたことでしょう。
冬の間中、首を長くして、春の花たちを夢見ていたのでは
ないでしょうか。


雪国では、永く暗い冬に耐えて、2月ともなれば、
あと少し、3月になれば春はすぐそこ、また春の花の季節が始まるんだ!
と希望に燃えた気持ちになって、春に向けてモチベーションはいやが上にも高まってきます。

春はガーデニングの最も忙しく、また楽しい季節でもありますね。
ガーデニングは春の季節に集約されるといってもいいかもしれません。
春の花は千差万別です。華やかです。はかない花です。
いいえ、春の花ほどにぎやかな花はありません。

春一番、3月ともなると、山野に先駆けて、庭の片隅では、
「フクジュソウ」や「セツブンソウ」「カタクリ」といった春の花たちが、
春を待ちわびて、残雪のすき間からけなげな顔を覗かせ、
ガーデニングファンを春先から喜ばせてくれます。

           フクジュソウ                      セツブンソウ                         カタクリ


このような春一番に咲く花を、「スプリング・エフェメラル(春のはかない命)」
と美しい言葉で呼んでいますが、春の半ばすぎ、木々が緑の葉を繁らせるころには、
早々と枯れて、地上部は跡形もなくなってしまうのです。
不思議な春の花たちです。



人間が、まだ冬装束に身を固めている中、風の冷たい春先から花を咲かせます。
暦の上では春とはいえ、こんなに寒い季節から花を咲かなくともと思ったりしますが、
花には花の事情があるらしく、人間どもの考えの及ばない劇的な展開を、
春先からいろんなところで見せて楽しませてくれるのです。

春は「スプリング・エフェメラル」という、かわいい春の花たちが咲き出すと、
堰を切ったように、次から次と茎や葉が地上に顔を覗かせます。
春の陽気がゆるむにつれ、一日ごとにその姿を変えてゆくのです。

春ストーブの前から抜け出て、春の花たちの顔を想い浮かべながら、
今年一年のガーデニングライフを思いめぐらせます。
春の太陽が少しやさしく暖かくなったと思うと、あっという間です。
赤、青、黄、紫…、色とりどりの春の花たちの競演の始まりです。
もうすっかり、心は春の花たちに飛んで行っているのかもしれません。


でも、ちょっと待ってください。
春のガーデニング作業に欠かせないのが、宿根草の植え替えと種まきですね。
種は春まきが多いとはいえ、昔から「ソメイヨシノが咲いてから」といわれるように、
一般的には、春先からそんなにあわてて種をまく必要はありません。

しかし、植え替えのほうは、春芽が動き始める前に片付けておかなければいけません。
時期でいえば、2月の下旬から3月の中旬頃までの春先1ヶ月間が勝負となります。
まだ、春先の季節には、土をいじると指先がガサガサに荒れたりしますね。
可憐な春の花たちを想い浮かべながら頑張りましょう。

植え替え作業は、ほとんどの植物で、休眠している春先と秋後半のいずれかに分かれますので、
寒さの中で指先を気にしながら植え替え作業をしなければならないのは、
ガーデニングファンには春の宿命と思って頑張らなければいけませんね。





       ヒメサユリ (オトメユリ)
            

春の植え替えについて。・・・・・

ガーデニングでは、知らないうちに失敗して枯らしてしまうことがあります。
大事な植物を枯らしてしまう第一の原因は、水やりの失敗です。
「水やり3年」という言葉もあるくらいです。
ガーデニングでは、水のやりすぎで根腐れを起こしたり、
水のやり忘れまたは水やりをしても少な過ぎることにより枯れてしまうのです。
とくに春にはたっぷりの水やりが必要です。

でも、春や秋に植え替えを怠ったために、根詰まりを起こしてしまい、
あげくには枯らしてしまうというのは、意外に多いんですよ。
しかも、このケースでは、ガーデニングのベテランでも、
枯れた理由がよく分からずに済ましてしまうことがほとんどです。
「一年楽しんだからもういいや」では、花たちもかわいそうです。


鉢栽培では、根の生育のよい植物は毎年春か秋に植え替えます。
それほどでもないものでも、2、3年に1回は植え替えてやるほうが、
いつまでもかわいい花たちを楽しむコツですね。
春のガーデニング初仕事は、宿根草の植え替えからと心得ておきましょう。



春の花たちは肥料が大好きです。
草花が生長し、花を咲かせるには、膨大なエネルギーを必要とします。
植え替えの時に、鉢底か用土に元肥を混ぜて入れますが、
元肥は、半年間、1年間、または2年間くらい効き目が保つようになっていますので、
ガーデニングのサイクルの中では、ゆっくりじんわりとしか効きません。

春に限らず、きれいな花を咲かせるには、
元肥だけでは足りないので、芽が出たら置肥をし、さらに液肥を与えます。
とくに春芽が出てから花が咲くまでの間は、肥料はたいせつになります。


液肥を施すと植物が徒長(とちょう)しやすい、といわれます。
液肥は1千倍から2千倍に薄めて、1週間か10日おきに与えるのが普通です。
それを通常1千倍に薄めて与えるところを、1万倍くらいに薄めて毎日施すようにします。
1万倍というと、水10gに対して液肥が1_gですから、極微量になります。

こうすることによって、だいぶ徒長を防ぐことができます。
自然に生育する植物を考えてみると、腐葉土などによって、
年中、じっくりじわりと、ほんとにわずかずつの栄養を毎日受け取っているんですね。
春の花は、少ない肥料で回数を多く、と心がけてください。



春の花は百花繚乱、毎年新しい花も増えて、名前を覚えきれないほどです。
ついつい、毎年同じ花を育てる人が多いようです。
折角たくさんの花たちが出番を待っているのですから、
毎年少しずつ栽培する花を変えていってみませんか。

違う色の花、高さの違う花、全く系統の違う花、今まで考えてもみなかった花。
そんな花たちを初めて栽培してみると、今までのガーデニングとは全然違う
楽しみに満ちあふれたガーデニングライフを送れるかもしれませんよ。

季節でも、春以外にもきっとお気に入りの花がたくさんあるはずですので、
春だけにこだわらず、一年中ガーデニングを楽しんだらいいと思います。


(種田山頭火二首)

ひ っ そ り 蕗 の た う こ こ で 休 ま う

山 の し ず け さ は 白 い 花


この「春の花物語」のほかに、「夏の花物語」、「秋の花物語」、「冬の花物語」でも、
いろんなガーデニングのお役立ち情報を載せてあります。
寄り道をしていってください。




春とはあまり関係のないお話です。
園芸植物の中には、日本ではあまり見向きもされず、
外国に渡って外国人の手によってさかんに改良された花たちがあります。
その代表的なものがアジサイです。

シーボルトなどによってヨーロッパに紹介され、
我が国特産のアジサイが、外人好みの派手に品種改良されて、
日本に逆輸入されました。
西洋アジサイと呼ばれて、現在では、多種多様な花が本家の日本でも
大変親しまれています。

それにしても、日本人はどうしてこんなにアジサイが好きなんでしょう。
春から初夏にかけて咲くアジサイ、雨にもよく似合いますね。


宿根草でも、ギボウシ、アスチルベ、ヘメロカリスなどは、
外国でさかんに品種改良が行われ、日本に里帰りして初めてその良さが見直されています。

最近では、日本でも、特に若い園芸研究家たちによって、
次々と新しい品種改良が行われているようです。
今後どんな変わったすてきな花たちが誕生してくるのか楽しみですね。


  




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